趣味は草むしりです。

日々のしょうもないことをお届けします。

苔むしる。

我が庭の 苔の多きに 時を知る 

かの有名な草雲先生が終の棲家に移り住んで十数年、隠居してゆったり過ごそうとしていたが想像より忙しい日々を送っていたところ、ふと庭石を見れば立派な苔が露に濡れ輝いており、日常があっという間に過ぎてきた充足感と過ぎてしまった時への物悲しさが入り混じった複雑な心境を詠った句である。

お気付きでしょう。適当に書きました。苔が多いのは我が家です。今の所に越してからそんなに経ってはないのですが苔むしった庭になってしまいました。草むしりが趣味なので雑草はそうありませんが苔は蔓延しております。

苔が出始めたころ、草と一緒に取ろうとしたのですが細かい根がしっかり張っているため土ごと取れて穴だらけになるのでそのまま置いておいたのです。上手くいけば緑々した苔で覆われ壮観なプチ日本庭園的な感じになるのではと期待を抱いて。

なるわけがなかったのです。たしかに緑色した少しフカフカした可愛い苔(多分スギゴケでしょうか)もあるのですが、枯れて茶色くなった苔(ゼニゴケです)や緑を通り越して黒い苔(黒すぎてよくわからない)も生えてきたのです。

き、汚い。

見栄えが悪いのは承知でしばらく放置しておいたのですが、先日何を思ったのか一念発起しまして、苔の除去に踏み切ったのです。

砂利、砂を選り分け、苔を取る!取る!取る!すると穴だらけになるので残った苔を粉砕しつつ地面をならしていきます。

次にならした地面を固めないといけないのですが道具が自分の足しかないのですぐ中止しました。体重をかけながら踏み固めるのですがこれが非常に疲れます。少し踏み固めただけで気が遠くなりました。なので水を撒いて土を落ち着かせます。

次に砂、砂利を戻したら完成です。頑張った甲斐あって大分キレイになりました。玄関に戻りそこから改めて庭全体を見てみると、き、汚い。

そうなんです。敷石を挟んで半分だけお試し感覚で行ったために半分は苔むしったままなのです。輝きを取り戻した側との対比で余計に汚く見えます。文字にすれば砂利を選り、苔を取り、土をならし、砂利を戻すだけなのですが、実際は地味に重労働なのです。もう半分をやるのかと思うとまた気が遠くなりますが仕方ありません、日を改めてチャレンジします。

と他事もあるので手つかずのまま数日空いている訳ですが、キレイにした方の経過観察はしておりました。すると何ということでしょう、数日のうちに粉砕した苔が復活の兆しを見せてきました。

苔の生命力恐るべし。

f:id:chiru53:20210521183522p:plain